日向ぼこ 顔を覆いて 子の名呼ぶ

母の隣席の人は、緑内障が進行中、
母が充分日向ぼこをして、赤ら顔に成ったので、隣席のその人を誘って、窓越しの席に車椅子を押して行って、ひなたぼっこしようよ。
暫くすると、極楽極楽。
それから、日が当たると黒くなるからと彼女が言うので、顔には陽が当たらない様にして挙げて
次に、至福の時間を子供たちと一緒に過ごしたいと、子供の名を呼び、忙しくって来られないからとなだめ、
こんな時間はやっぱり素敵な時間だけど、東に流れていく、雲は彼女には、見えないようだった。
もっと、遠くを見させてあげたらと、余計な事を、思った。