母様の 籠追いし日の 蕨狩り

蕨をスーパーで見かけるようになると思いだす。
丸帯をほどいて芯をリックに仕立てて、早朝早くに、山登りをして、リック一杯に蕨を採ってくるのである。
それを、灰汁であくをぬいて、皆に振舞うのである。
採る場所は秘密で、雨あがリなどは、陽が昇り始めると、そわそわと、出かけてしまう。

あの健脚の足は、幼少のころ3里の道の登下校に有ったのに、今では、左片側の、麻痺による、歩行と、手の不自由に彩悩ませている。

一日も長く生きて、うんと美味しいものを頂いて、最終章の安楽の時を過ごしてほしいものだ。

92歳、もう少しで。93歳に成る。
白髪も少なく、少しのボケは。愛らしいと思う。
その母の、最近の写真。