卯の花や手水の水に打たれけり

場面解説】落葉宮の母一条御息所は夕霧に、柏木が生前大切にしていた横笛を贈った。夕霧が自邸で笛を忍びやかに吹くと、夢に柏木が現れ、「その笛は自分の子々孫々に伝えてほしい」と告げる。柏木の霊に怯えたのか、赤児がはげしく泣くので、物の怪を退けるための散米(うちまき)がおこなわれ、雲居雁は赤児に乳をふくませる。騒ぎに起きた夕霧、雲居雁は「夜更けに歩き回って来て、格子を開けたので、物の怪が入って来たのでしょう」と暗に落葉宮への妬心をあてつける。
と、今日の勉強会。
一番気に入ったのは、子だくさんで、前髪を耳にはさんで子守の世話に明け暮れている様子は、今も昔も同じこと。
白鳥庭園の清羽亭の手水鉢から滴る水に打ち伸ばされているのは風情があって初夏の暑い今日の一日に一陣の爽やかさをもたらした。