遠き日の 腕白王子 通草 (あけび)の実

小学校で、友達が東京に、転校していくと云うので城山に登り、お別れ遠足をした。
その子は、都会育ちできゃしゃな顔立ちで、早々、灰田勝彦によく似た風采だったと思う
灰田勝彦の、燦めく星座を歌ってくれた。
小学生にしては少し、大人びた歌だったが、先生は何も言わなかった。

そのうち、水晶探しが始まり、小さなのを見つけて、ほくほくしていたところ
クラス一の腕白君が、あけびを取ってきて、口を紫いろに染めて居て、皆を笑いの渦に
その彼も、小牧の飛行機事故で、亡くなってしまった。
悲しい思い出と、懐かしい思い出を運んで貰った、写真は
これも、野田の人からのプレゼント。
亡夫には話さなかったというか、話す機会が無かった、昔々の話。